ソフトバンクBB(株)が携帯電話をサービスすると

ソフトバンクBB(株)が携帯電話サービスに参入するために行政に申請を行っています。800MHz帯は総務省が割り当てがすでにないと言っているのですが、司法の判断では新規参入の余地があること、既得権者(NTT、KDDIですね)だけの権利ではないことなどがソフトバンクBBから表明されています。

さて、なぜこうまでソフトバンクBB(株)(以後「ソフトバンク」と記述します)が携帯電話サービスを持つことに時間がかかるのでしょうか。素人目にはNTT、KDDIが非常にソフトバンクを恐れているように見えます。なぜって今までのソフトバンクのビジネスモデルを考えると、こんなやり方が想像できてしまうからです。

  • 携帯電話の料金は破格的に安い定額制となる。あるいはYahoo!携帯同士は無料となる。
  • 従来のYahoo!BBサービスとの連動により携帯電話が画期的に使いやすいモバイルツールとなる可能性がある
  • 無線パックとの連動などで、携帯電話が工場内などの無線機のように使える(当然、無料)
  • ブロードバンドコンテンツ(やはり野球中継ですかね)が限りなく無料に近い価格で視聴可能となる

現在、光ブロードバンドにも進出しはじめたソフトバンクは高速インターネットの下地を整えつつあります。これは老朽化で非常に維持・管理コストがかかる従来の電話回線を使ったADSLサービスが近い将来終わりを迎えることも示唆しています。ADSLは一気にブロードバンド人口を増やし、常時接続型のサービズの可能性を皆に知らしめたことで非常に立派な功績だと思うのですが、すでに寿命が来つつあるように思えます(インターネットの社会はドッグイヤーですから)。

さらに、通話時間に応じて課金する従来の携帯電話料金もメールやインターネットを使う「パケット」については定額制が普及しつつあります。通話料も当然、定額制に移行すると考えるべきでしょう。ただ、これは現在既存各社の収入として非常に大きな比重を占めるはずですから既存各社は自らやりたくないというのも本音だと思います。

つまりは、既存の各社がやりたくないなーと思っている部分をソフトバンク携帯は確実にやってくるわけです。それに対抗するためには既存各社は内部の高いコスト体質を変える必要があるわけです(当然リストラという名の人員削減が発生する)。できることなら参入して欲しくないと思うのも当然ですね。自分が既存各社の立場なら当然そう思うでしょう。ただ、お客にとって最善のサービスはなにか、それでも我が社を選んでもらうにはどうすればよいか、長い目で考えた時に結局どうなるのか、と考えた場合は答えは今のところ一つしかありません。ソフトバンクでないかもしれませんが必ず別の携帯電話サービスが上に書いたようなサービスを引っさげて乗り込んでくるに決まっています。さーて、この競争はどうなるのでしょうか。