インターネットで「売る」ということ

今回は、通販について少し述べたいと思います。先日ある研修会に参加しましてその内容の一部にWebによって新規顧客をものすごく沢山獲得している事例の紹介がありました。その企業はとっても優秀な技術をお持ちで歴史もあり、今までも仕事は沢山あったのですが、いかんせん世情によって売上増にはいたっていない状況が続いておりました。営業も当然地元の企業中心で、リピートはあるけれど優秀で耐久性がある商品ゆえスパンが長い。だから材料在庫も大量に抱えざるを得ない状況でもありました。

そこでどうしたかと言いますと、自分たちの技術を大いに宣伝する場としてWebを選んだわけです。蓄積した技術もある、在庫材料も豊富「xxのことなら我々に聞いて!」と大々的にアピールしたわけです。すると、今まで取引のなかった大学の研究施設や、企業の研究開発部門から問い合わせが入ってくるようになりました。知識がなくても応対できるように社内にノウハウの共有できる仕組み(グループウェアですね)を整えて、電話窓口の子で対応できるようにしました。在庫材料が欲しいという同業からも問い合わせが入るようになりました。

・・・とまあ、そんな具合で新規顧客が営業マン何人分にも相当するような勢いで増えていったのです。うらやましい話じゃないですか。

検索キーワードにも気をつかいました。お客がどんなキーワードで「なに」を探しているのか。注意して欲しいのは、お客は「商品」を探しているわけで、あなたの「会社」を探しているのではない、というところです。つまりキーワードの先頭に「会社名」や「地名」をいれてもしょうがない、「商品」を入れるべきなのです。当然、ページの内容にも商品のことが書かれていないといけません。社長の趣味や社内のクラブ活動は商品を探している人にはまったく無関係です(求人情報としては有効でしょうけど)。

また、どのようなキーワードでお客様がホームページに訪れているのかを調べるために解析ツールも活用しています。ですからユニークユーザー数に対する問い合わせ数、問い合わせに対する成約数等もきちんとしたデータとして活用されています。ホームページを訪れてくれる数から成約にいたる数(割合)というのはどこの企業もものすごく知りたい数字です。それゆえどこの企業も教えてくれることはほとんどありません。売上を増やしたかったら問い合わせがどれくらい増えればよいか、引いてはアクセス数がどれくらい増えればよいかがわかればこんな楽なことはありません。根拠があればYahooでもGoogleでも有料広告を出せばよいのですから。

この事例は特殊な例かもしれません。しかし、非常に多くのことを教えてくれていると思います。

  • お客様は欲しい商品を探している。
  • それは近所のスーパーやコンビニに売っているものではない
  • 専業であればあるほど、地域的な営業よりも全国・全世界に宣伝すべき
  • 欲しい商品に対する深い知識やノウハウを開示しないとお客様はWebでは信頼してくれない
  • 開示することが新たな取引を発生させる可能性がある

もし、あなたのホームページが「ものを売りたい」ページであるなら、そして思ったよりも売上が上がってないとしたら上記に当てはまっているかを自問してみてください。経営者の方は虫歯をつつくような痛みを伴う作業になると思います。従業員の方はぜひ、社長に言ってあげてください。会社が好きなら。