地方自治体にお願いしたいこと

先日、織田が登録してある情報系専門家派遣事業からの要請で、サーバーやホームページについて教えて欲しいということでとある場所に行ってきました。新しい事務所(引越ししました)から車で20~30分のところなのですが、なんとインターネット環境がISDNしかないのです。光ケーブルが2年後に導入するかもとかいう話を聞いていて、いったいどれくらいのサービスを受ける機会を逸しているのかと思うと残念でなりませんでした。住民サービスの中で「高速インターネット接続の環境を提供する」というのが、どれくらい大切なのかを首長に強く訴えたいです。

極端な例ですが、電子入札(オークション等)が普及して入札に応札する時にすぐに応札できるか否かが接続スピードで変わるということを知っているのでしょうか。レントゲン写真をすぐに電送してお医者さんに診断していただければ、助かる命はないのでしょうか。故郷に住む年老いた両親と、テレビ電話で元気な姿を互いに確認しあう権利はないのでしょうか。これらは高速インターネット接続環境さえあれば、今すぐ可能な現実です。今や電話と同じくらい、あらゆる地域で必要なインフラストラクチャーでしょう。

しかし、一方で「ないものがあるようになるとこれくらい便利になる」ことくらい説明しにくいものはないなあと思うのも事実です。車を所有して自分で運転しどこでも自分で移動する人は、車の重要性を理解しています。いくら必要な時だけタクシーを使ったほうが安上がりだと言ってみたところで説得力を感じないのと同じで土日しか運転しない方も自分の車を所有したがります。でも、車を持っていない(免許を持っていない)人にそのメリットを正確に説明できる人はいないのではないでしょうか。便利とか楽とかいう日本人が本来公にしないメリットが主ですから。しかし、便利なものは便利で楽なものは楽。事実です。こればかりは実際に所有してみないと理解できないのかもしれません。これらの要求を理解し実行できるのは地方自治体しかないはずです。

今、高速インターネット接続が現実に普及していて、ご自分のお住まいの地域が未整備の方々には、自治体に強くそれを要求してよいと思います。道路の整備(舗装化や複線化)と考え方は同じです。広域の利益を考えて実行できるのは地方自治体しかないからです。その温度差にはまったく驚かされます。一番山奥にも関わらず、村内に無線LANを整備しているところもあれば、ケーブルTV網を利用しているところもあります。少なくとも、計画があるのかないのか、あればそれはどのような状況か、どんなスケジュールになっているのか、どんな方式を使おうとしているのか、これらは住民の皆さんの知ってよい権利ですし、自治体の説明義務だと思います。

今、自治体の合併が大きなニュースになっていますが、合併したときに環境があまりに違うと後で調整することが大変です。むしろ今、整備していき合併後に備えるくらいの気持ちで取り組んで欲しいものです。
現実に「当自治体の地域に高速インターネット環境を構築したい。ついてはプランを持ち寄って欲しい」と呼びかければ、実に多くのデベロッパーが手を上げて様々な提案をしてくるでしょう。要は姿勢を示すか否か、ということです。自治体の方々、住民のために切によろしくお願いします。