DVDのレンタルについて

今、オンラインでのDVDレンタルが非常に注目されているようです。仕組みは簡単、オンラインで会員登録をして見たいDVDソフトを選ぶ、それだけです。しかし課金の方法が従来と違っていまして、今までの大抵のレンタル会社は延滞金というものを取っていました。「期日までに返却しないとお客様にとって不利益ですよ。だから早く返してくださいね(そうすれば当方は早く次のお客に貸せますから)。」という理屈です。ところが最近のオンラインレンタルの会社は延滞金を取らないところが増えてきています。月々の契約額を固定にして、契約内ならどれだけ借りても金額は変わらない。延滞金も取らない。ただし、返さないと次のレンタルができない。うまい仕組みだと思います。よく映画を見る人なら月に10タイトルくらいは観るでしょう。借りて面白くなければすぐに返して次を借りる。借りたけど忙しいからそのままにしてあるけど延滞金の心配はない。よくDVDを借りる人なら、この方式に切り替えると元の方式に戻ることはよほどのことがない限りないでしょう。

このお客との契約を見直すきっかけはなんだったのでしょうか。延滞金を取らないビジネスモデル・・・契約の範囲内で無制限に借りられる・・・リアルな店舗ではなくオンラインでの契約なので在庫や流通が従来とは違う・・・これは今までに織田が言って来た「倉庫+問屋+小売から配送センター+流通へ」と「課金制から定額制へ」というよくある話のミックスであることに気がつきます。「倉庫+問屋+小売」ではどうしても発生してしまう在庫切れや交通の便という問題を「配送センター+流通へ」で(ある程度)解消し、さらに料金体系を、インターネットの接続方式や携帯電話のパケット契約方式でもおなじみになってきている定額制への移行、これによって顧客は使い放題のメリットを享受する・・・

さて、こうなると次はどうなるかも想像できるかもしれません。オンラインレンタル会社が続々と参入しサービス競争が始まる・・・月ぎめ料金が下落し月々のレンタル可能枚数もアップする、ポイント制などが導入され、顧客の囲い込みが激化する、過剰なサービス競争の結果淘汰が始まり、寡占化が進行する・・・うーん月並みですがよくある話になりそうですね。Webでのオンデマンドサービスに近い将来取って代わられそうな気もしますし。しかし新しい便利なサービスであることは確実ですし、誰かが勝ち残ることも確実です。

面白いのは、色々なサービス産業を見回しても最初にそのサービスを始めた企業がいつまでも独占できているかというと、ほとんどそのような例はなく2番手3番手の参入でもサービス差別化等で最終的にトップになる企業も少なくないということですよね。目の付け所はやはり、徹底した顧客の便利さの追求でしょうか。このビジネスモデルの発端は「延滞金を払わずにすむ方法があれば客は喜ぶ」のように思えます。従来は最新作を借りると期間が短くて織田は不満でした。

次のサービスとして映画のあらすじをダイジェストにしたものを会員に配布して欲しいですね。方式はDVDでもWebでもいいけど今はDVDかな。映画館で最初に必ず見る予告編ばっかりのDVDなんかあったらいいと思いませんか。パソコンで観ている人ならそこから直接オンライン注文までできると便利ですよね。