企業の仕事の進め方

当たり前なのですが、企業は「何かをサービスして対価を受け取る」ことを目的としています。物を売ることも、サービスを提供することも、基本的には「何かをサービスして」いるわけです。顧客は、「そのサービスに対価を支払う価値がある」と思うからこそお金を支払うわけですよね。さて、ではその「対価に値するサービス」はどのように顧客の手に渡るのでしょうか。顧客が満足するためには、どんな要素があるのでしょうか。

実は、売上を伸ばすためにすぐに実現できるのにあんまり実行されていないことがあります。それは「在庫を切らさない」ことです。焼肉店で一番売上増に効果があったのは、割引券でもタイムサービスでもセットメニューの充実でもなく「人気商品を切らさない」ことでした。コンビニ最大手のセブンイレブンが、なぜ(ほとんど偏執的と思えるほど)ジャストインタイムにこだわるのか、やはりそれも「在庫を切らさない」ためなのです。では、なぜ在庫は切れるのでしょうか?予想以上に売れたから?注文したものが予定数入荷しなかったから?用意しすぎて沢山余ると困るから?・・・さて、これらの根本的な原因が見えてきましたでしょうか。

  • 予想以上に売れた
  • 予定数入荷しなかった
  • 沢山余ると困る

これらは全部、予測が失敗しているに過ぎません。不良在庫の山を抱えて倒産する企業は、予測を非常に甘めに設定しているからです。「予定数入荷しなかった」は自分のせいじゃない?いえいえそうなることが100%予測できないってことはなかったと思いますよ。ただ、自分のせいじゃないと言って自分に甘く採点しているに過ぎませんか?非常に冷たい言い方ですが「昔はよかった、作れば売れた。」って言う企業さん、今でも作れば売れる商品はありますよ。予測が外れたんですよね。えっ?そもそも予測していない・・・

企業の活動は、実はこの予測によって成り立っています。どんな商売でも、

  1. まず予測する(これくらい売れるだろうと考える)
  2. 予測に対して準備を整える(商品を仕入れる)
  3. そうならなかった時に適切に対応する(割引してでも売りさばく)
  4. なぜそうならなかったかの原因を特定し(他の店ではもっと安く商品を売っていた、等)
  5. 解決策を実施する(仕入れのルートを改善し、仕入れ単価を下げる)
  6. 予測の精度を高める(今度は、前より精度よくこれくらい売れると考える)

というプロセスが絶対に必要です。皆さんこの精度を高めるプロセスをどうすれば実行できるか、考えてみてください。焼肉店が売れ筋の商品を切らさないために、なおかつ余って捨てる数を最小限にするために、どんな工夫が必要か・・・もう一つ、社長さんに言っておきたいです。勘は大切です。でも、事実に裏打ちされた勘でなければなりません。大切な社員や会社を守るために、冷徹なデータに裏打ちされた勘を大切にしてください。