日本という国の「売り」

前回は、「配送センター+流通」が「倉庫+問屋+小売店」に取って代わる可能性についてお話しました。そして、その続きがあるということもお話したかと思います。

3~4年くらい前でしょうか、アメリカではコンビニが衰退して24時間のメガストアが流行り始めている、という記事を読みました。「フーン、そうなんだ。コンビニが衰退しているんだ。」当時の織田はさほどそのことに関心がありませんでした。しかし、今の日本と比較すると面白いことがわかってきます。日本のコンビニは開店数こそ横ばいに近いですが、今だ大きな衰退の兆しはないように見られます(淘汰は始まっていますね。ちょっと甘いかな?でも、まだ新規開店もありますから、完全な衰退ではないですよね)。そして、スーパー大手はこぞって24時間営業に踏み切っています。3~4年前のアメリカに似ているけどちょっと違う現象です。どうしてなのでしょう。

これは、顧客の視点に立つとその差が見えてきます。大きな理由の一つに「安全」があります。アメリカのコンビニは強盗やドラック中毒患者によって非常に危険な場所になったと聞いています(すいません、現在の状況を調べようとしたのですが今を示す記事が見つかりません。状況ご存知の方おいでましたらご教授ください)。そして警備人が警らする24時間ストアでしか安心して買い物ができなくなってしまったのです。車の乗り降りですら、全部のドアのロック解除はしない、とか勝手に近づく人に火炎放射してしまうグッズが販売されてしまう!お国です。確かにそんな所に住んでいれば、コンビニの前で座ってくつろぐなんてまねはできませんね。

では、日本はどうでしょう。昔に比べてずいぶんと物騒になってきたのは否定しませんが、それでも格段に安全であることが実感できるのではないでしょうか。実は、この安全こそが日本の最大の美徳、「売り」ではないかと考えています。こんな安全な国はほかにはないようです。他の国から日本に来て働く人は、生活費が高いことには悲鳴を上げますが、安全に関しては非常に高い評価をしてくれています。日本という国を高く評価してくれているのです。ですからコンビニは非常に安価なコストで24時間営業というサービス提供が実現できるわけですね。これは他の国に比べてありがたいことではないでしょうか。

今後の24時間営業は行政の規制との交渉になっていくと思うのですが、夜でも安全に薬が購入できるようになったらいいですね。もう一つ、これは東南アジアでの出来事を聞いてびっくりしたのですが、スーパーマーケットがオンラインでお店の中を写して映像として配信し、それを見ていた客が欲しい商品のところでスイッチを押すことで購入が決定し、全部購入が決まるとスーパー側で商品をまとめてくれて夕方には配達してくれる、という未来型のショッピングシステムがあるとの話を聞きました。

これも理由は安全です。スーパーに行くまでがすでに危険なのです。商品を見たり触ったり、店員の話を聞きたいとかの理由でお店に行くことは大変楽しいことです。まったく否定する理由がありません。ただ、それは安全であるという大前提のもとに成立する行為です。安全でないために、夜出歩くことが禁止されたり、バーチャルスーパーで買い物しなければならなくなる、そんな未来ならあんまり来て欲しくないなあと織田は思います。しかし悲しいことに、新しいテクノロジーはすぐに悪用される傾向があるようです。クレジットカードのネットを使った詐欺行為や、携帯電話をつかった悪質な金融などは、新しい技術がなかったら実現しなかった犯罪です。このような犯罪に対して甘い態度を取ることは、どんどん自分の安全を脅かしている行為ですよね。安全でないがためにIT技術を利用しなければならないとしたら、それは悲しいですね。

せめて安全を維持する意識だけでも持ちたいものです。さて、次回は「企業のIT化は果たしてどこまで必要なのか」について大胆に(?)述べたいと思います。