必要な企業について

前回、「必要な企業」についてお話したいとお伝えしたかと思います。実はすごく印象に残っている本がありまして、「戦略の本質(ダイヤモンド社:和田勲生著)」なる本なのですが、その中で2つの問いかけをしています。

「今、十分な資金があなたにあると仮定して、その業種は参入すべき(あるいは参入したいような魅力がある)業種ですか?」という問いと「今、なんの障害もない(借金や負債がない)状態と仮定して、あなたの会社が消滅したら、消費者(お客様)は困りますか?」という問いだったと思います。

後半は難しい内容であんまり読み込んでないので、突っ込まれると困るのですが、前半のこの2つの問いかけは当時の織田を考え込ませるのに十分でした。「そういえば、(以前)I銀行がなくなってもあんまり困らなかったような…」「つぶれるってことは必要とされてない、ってことだよな…」「金があってもあの業種は参入したくないなあ…」っていろいろ考えたのをよく覚えています。

今でも、車で街中・郊外を問わず走っていて目についたお店を見ると「あの店(織田は)やってみたいかなあ…」「あの店つぶれたら、困る人ってどれくらいいるんだろう…」って考えてしまいます。もちろん、世の中の仕事に貴賎はないっていわれますが、つぶれたほうがよいだろうという仕事も純然として「ある」と織田は思っています。例えば環境を汚染するような企業です。例えば人権を無視するような仕事です。

そんなものはビジネスでもなんでもないわけですから無視すればよいのでしょうが、実害が及ぶこともままあるわけで、「ああ、世の中って奇麗事だけじゃ回らないなあ…。これで飯食ってる人もいるわけだし…」って嘆くことになるわけです。

話がちょっとずれました。さて、あなたが従事している仕事は「なくなると困るお客様がいますか?」「代わりの誰かが代行できる仕事を価格で勝負していませんか?」「客観的に見て、参入したいような業種ですか?」…結構みなさん、考えてしまうかもしれませんね…。

でも、よく考えてみたらあなたの会社も結構いいところありますよ。「社長の人脈が太い」立派なよいところです。社長がいなくなったら大変なことになるってことですよね。「電話の応対がさわやか」電話一つでお客様は次にあなたの会社を選ばなくなるかもしれません。へたをすると、評判を落としてしまうかもしれません。大事ですね。「クレーム処理が見事」クレームだらけもいやですが、そんなつらい時期に一生懸命対応してくれるとつい次も仕事頼んでしまうものです。いろんな「いいところ」があるわけですね。売れる商品だけが全てではないことがわかっていただけるとうれしいです。

さて、皆さんも自分と自分が勤める企業のよいところ・悪いところを見つめてみましょう。世の中に必要かどうか…。いいところを一つも見つけられなかった人は、見る目を勉強する必要があるかも。いや、もしや本当にあなたの企業は不要?いやいや、そんなことは…。

次回は、「もしかしたら世の中ってこうなる?」結構大胆に、将来を予測したいと思います。専門的なアナリストみたいに難しくならない(難しくできない、が正しい)のでご安心を。