RallyJapan2004

9月1日から北海道に行って今日帰ってきました。9月3日~9月5日に帯広を中心とする一帯で開催された世界ラリー選手権「RallyJapan2004」にオサムファクトリーのサービスとして参加するためです。

行ってみて驚いたことは、まず非常に多くの観客がラリーを楽しみに来ていることでした。帯広のホテルは全室満室、周辺のホテルも同様(我々はコテージを借りました)。レンタカーを千歳で借りたのですが周りを見るとレンタカーがいっぱい。9月2日の帯広駅前で行われたセレモニアルスタート(お披露目みたいなものです)では5万を超える観衆が、そして3日間のラリーで述べ21万の人々がラリーという競技を楽しんだとの発表がありました。最初の開催で、しかもメディアはF1のような大々的な宣伝をしないで、さらに北海道という地域を考えるとこれは驚くべき数値だと思います。

周辺のコンビニから氷がなくなり(日中は割と暑かったです)、北海道中のバスが観客席と駅等を往復し、足寄では町始まって以来の大渋滞が発生し、4000円を超える観戦チケットが完売したことを思うと北海道、日本に与える経済効果はかなりのものだと思います。変な例えですが、21万人が1個カップヌードル食べても21万個です。コンビニで買うと135円ですから約2800万円強の売上です。帰りの航空機チケットも金沢の直行が予約できなくて羽田トランジットでした。ともかくすごい数の人間が北海道にいたことになります。小さなお子さんを連れた若い家族連れも多く見受けました。

サービス隊として参加した我々は直接ラリーカーの全開走行を見ることはできなかったのですが、実際に間近で見た観客には非常に強いインパクトを与えたことと思います。そして一般車と同じ速度で次の競技場へ急ぐラリーカーに旗を振って応援してくれた地元の皆さんの暖かい声援、初めてとは思えないほどのオフィシャルの対応、織田は大成功を納めたと思います。もちろん反省点も沢山あるはずですが、あれほどの地元のバックアップがあれば、もっともっと競技はよくなっていくことでしょう。

本当に大変な3日間でした。毎朝5時には行動開始で終わるのは23時過ぎ。サービス隊は途中で休むこともできますが、競技参加者は平均睡眠3~4時間でハードな競技をこなさなくてはなりません。超人的な体力と精神力が求められます。「これが世界レベルということなんだなあ」と肌で感じることができました。おかげさまで我がチームは無事に完走し、かなり上位になることができました(まだ正式発表がないので順位はご勘弁)。

競技はスバル・インプレッサWRCを操るペター・ソルベルクが優勝したのですが、残念だったのは三菱自動車が参加しなかったことでした。現在の状況を思うと致し方ない面もあるかと思うのですがスバルのブースでは毎日最新映像が流されているのに、三菱(ラリーアート)のブースでは過去の映像しか流せないのです。これはとても残念な状況でした。毎日の食事の面倒をみて頂きましたし、今までの実績を思うと三菱自動車のラリーに対する貢献は非常に大きなものがあります。それなのに沿道を見渡すと応援すべきワークスカーがないのは三菱ファンの方には悲しいことです。再度、ここに三菱自動車の再建を強く望みます。

我々のサービス隊参加は教育的な要素も非常に多かったのですが、この点でもWRCは多くのことを教えてくれました。一つの目的に向かってクルーが全員で向かっていく。一人ひとりが自分でなすべきことを考え行動する。こんなことを実戦を通して限られた時間の中で身につけることができるということはなかなか機会が少ないように思います。

これほどのイベントを成功に導いたオフィシャルの方々(ボランティアも方も沢山おられました)は本当に大変だったと思います。しかし、地域にもたらす様々なメリット(経済効果)、日本人観光客への新たな感動の提供を思うと、継続して開催することを願ってやみません。さらにラリーという競技が認知度を高め、色々な意味で社会に貢献できるようになればいいなと思います。