テレビというデバイス

テレビくらい皆さんの生活に溶け込んだものはないでしょう。恐らく普及率はほぼ100%、一家に一台の時代はとうに過ぎ去り、複数台保有されている家庭も多いかと思います。くだらない番組が多いのは事実ですが、たまに「おおっ!」と思うよい番組があるのもまた事実です。

ずっと前から「テレビが次世代の(インターネットも含めて)メディアのベースになる」と思っています。理由は至って簡単、誰でも扱えるからです。今のパソコンは自分でも操作が難しいなと思うことがよくあります。これが一般の家庭に完全に溶け込み、ホームコンピューティングの中心になるとはちょっと思えません。だってテレビは幼稚園児でも操作できますし、織田の実母もビデオでタイマー録画を駆使してドラマを楽しんでいます。新しいDVDビデオに非常に興味があるようでした。これが発展して家庭の中心になるのが最も素直だと思いませんか?

これは、日本で携帯電話が爆発的に普及している状況にも実は似ています。PDAが小さなコンピュータとして様々な機能(ペン入力、スケジュール管理、メール、ブラウズ・・・)を取り込んでいったけど、携帯電話も同じように機能を拡張していって、PDAが目指していた世界を取り込んでしまいました。このように新しいデバイス(機器)は先に普及してしまったもの勝ちみたいなところがあります。テレビは既に普及していますので、これを機能拡張するほうが受け入れられやすいという読みです。

ただ、現在のテレビをみる限りはホームコンピューティングの中心には遠いと思うのも事実です。家電達がインターネットによって接続され、互いの状況がわかり、ホームセキュリティ等も完備され、高速な回線から番組が送られてくる・・・こんな世界にならないと今言っている意味と同じになりません。地上波デジタルもその意味では到達する世界の入り口ですが、ゴールではありません。

思えば、白黒テレビからカラーになったことが実は今のところ一番の出来事で、音声多重・ハイビジョン・横長テレビ・薄型(液晶やプラズマ)化などはすべてカラー化のインパクトに及ばないように思えます。新しい技術はとても大切ですし今後も様々な機能が実現していくと思われますが、完全な3D(立体化)でも実現しない限り強烈なインパクトはなさそうです。とすれば家庭の中心として機能するように、より便利に進んでいくしか道はなさそうですし、今の地位を維持し続けるためには放送される内容(コンテンツ)が今以上に魅力的・多種多様であることが求められるでしょう。

恐らく、テレビが好き・嫌いに関わらずテレビをボーっと見ていることは誰でもあることだと思います。ある意味生活に溶け込んでいるわけです。社会的な影響も大きいわけですから責任も大きいはずです。この古くて新しいデバイスが今後スタイルを変えていくのか、いつまでも気軽に使える丈夫で長持ちするものなのか、興味深く注視していきたいです。と、いうわけで現在の織田は今のテレビに関しては新しく購入すべきか迷っている状況です。早くキラーアプリ(決定的な商品)が出てこないかな。