企業の改善について

以前、企業はなぜIT化を進める必要があるかについてお話したかと思います。そこで今回は様々な視点で改善について考えてみることにしましょう。ITコーディネータ(補)である織田はBSC(バランス・スコア・カード)についての考え方を習得しています。これは「顧客の視点」「業務の視点」「学習の視点」「財務の視点」と4つに大別された視点についての改善を具体的な目標(CSF:Critical Success Factor:主要成功要因)で行うという大変わかりやすいものです。わかりやすいから実現が容易かというとまったくそんなことはなく、やはり企業の改善が大変なことに変わりなく、やれ「ちっとも仕事が楽にならない」とか「そんな急に言われてもできないよ」とか不平不満を言う輩は沢山います。それでも、織田はこの考え方は非常に理にかなっていると思っています。今、なにから改善(改革ですかね)すれば効果的なのかを分析するのに非常に適しているのです。

例を挙げてみましょう。ある企業は売上が徐々に減ってきています。それは「学習の視点」から見て従業員の応対が悪いとか、習熟度が低いためにミスが多発しているのか、等を確認することになります。「業務の視点」から見ると、効率が悪い仕事によって生産性が上がっていないためにビジネスチャンスを逃しているのか、仕掛在庫を多量に保有していて適切なタイミングで出荷できていないのか、等を確認することになります。同様に「顧客の視点」では電話応対のサービスが悪いのでお客が去っているのか、他にもっとサービスのよい競合が現れたのか等を確認しますし、「財務の視点」では売上を上げたいのかコストを下げたいのか、どちらが先決なんですか?と確認するわけです。

どうです?売上が下がっている企業でもなにに手をつければよいのかなんとなく見えてきませんか?これらを具体的に掘り下げていくことで「まず手をつけることはなにか」「そのためにはどのような策をとらなければならないか」「その策のゴールはどのように定めるか」と決めていくわけです。例として妥当かどうか不安はありますが、ホームページを使った売上増について述べてみましょうか。

まず、ホームページで売上を伸ばしたい場合は当然ですが商品をそろえる必要があります。どんな商品が売れやすいのかを自分なりに調査する必要があります。そして、次に売上目標を立てます。これが非常に大切で「1年に1件でよい」のか「1年で1000万円分売りたい」のか「3ヶ月で1000件売りたい」のかで対策は大きく変わります。当然ですね。そして、目標に対して「では、どうすれば目標に達するのか」を考えて考えて考え抜いて実行するわけです。

「1年に1件でよい」場合、メールでの問合せから商談に発展すれば充分かもしれませんが、「1年で1000万円分売りたい」「3ヶ月で1000件売りたい」ならクレジット機能やわかりやすい注文画面、鮮度のよい画面等、用意しなければならないことは沢山あります。それでもすぐに売上増は実現しません。なぜなら1000件の売上にはその何百倍・何千倍ものアクセスが必要だからです。ですから、目標の実現には「まず見にくるお客さん」「見に来たお客さんが思わず欲しくなる画面」「定期的にお客さんに出す案内」等のチェック項目が多数あります。そして、どれくらいアクセスがあったか、そのうち購入した人の割合はどれくらいか、どの商品の反応がよいのか、等々様々な要因を解析しては次の取り組みに生かしていくわけです。当然、上記の数値が取得できる仕組みと解析は必須です。

店舗を構えておられる人は容易にわかることですが、店はいつも品揃えが変わっています。季節ごとにレイアウトも変更しています。売れる店ほど「変わり続けること」に熱心です。ホームページの画面がいつも同じで、誰が買うというのでしょうか?サボっているのに儲かるはずはありません。ですので、ホームページで売上を考えていて期待したほど売上がでない方は、一度チェックしてみてください。目標は明確か、目標のための取り組みは充分か、そもそもチェックするための仕組みは入っているのか・・・

今回は売上増についての例でした。「顧客の視点」「業務の視点」「学習の視点」「財務の視点」それぞれにどのような取り組みをすればよいか、生かしていただけると幸いです。