好きな本

実は本好きです。子供のころ「マンガばっかり読んでないで本でも読みなさい!」って言われて育ちましたから、子供のころは本を読みませんでした(世の中のお母さんへ。私みたいなひねくれた子供ばかりではないと思いますのでご安心を)。

本格的に本が好きだと気がついたのは、結構遅かったと思います。30歳ちょっと前くらいでしょうか。中学生くらいの時は、星新一(ショートショートで有名ですね)筒井康孝(これは家族八景の七瀬シリーズなんか好きでしたねえ)読んでいましたが、明らかに「進め!パイレーツ」の方が好きでした。高校時代はブラスバンドで笛吹きながら麻雀三昧の日々を送っていましたので阿佐田哲也の麻雀放浪記ばかり読んでいましたし、クラッシックばかり聞いていました(部活を引退すると、反動でアイドルばっかり聞いていました。松田聖子とか中森明菜とか)。読むのはやっぱりマンガ。「1・2の三四郎」なんて大好きでしたね。大学に行くとこれはもう、まったく本なんか読まないで、夜な夜な車で山道を走っていましたから、活字といったら「車自在極限テクニック(ジムカーナテクニックの本です):森田勝也著」くらいしか印象に残っていません。

そんな織田が本好きになった出来事、今でも覚えているのですが結婚してからしばらくたったある日、新聞のブックレビューコーナーで東野圭吾氏の「変身」を紹介している記事を読んだのです。世界初の脳移植を受けた男が、徐々に性格を変えてゆく…というミステリー(?)です。とても印象に残ったのを覚えています。織田はわりと医学系のネタ好きなのです(そうそう、マンガのブラックジャックも持っています)。それで、思い立って本屋に行き、その本を探したのです。レビュー読んでからかなり経ってからです。でも、行った本屋には置いてなくて結局「分身」というなんか似た題名の同氏の著書を購入したのです。

生まれて初めてハードカバーの本買いました。それまでは文庫本しか買いませんでした。お金なかったから。で、読んだわけですが、すごく面白かったのです。ネタばらしになるといけませんから「二人の美少女の生い立ちと、それに関わる大きな陰謀…」とでも言っておきましょうか。いやー、本が面白いことに十数年ぶりに気がついたわけです。それから、東野圭吾氏の本は見つけると購入する、といった感じで最新刊を除いて恐らく全て持っているはず(もちろん「変身」も持っています)。

ほとんど2、3回読み返しているのですが、中でも最初に買った「分身」は好きですね。「天空の蜂」「パラレルワールド・ラブストーリー」「ゲームの名は誘拐」「鳥人計画」「宿命」…きりがありません。氏の作品は全部好きです。

他の作家ですと、宮部みゆき氏も好きですね(「レベル7」「火車」…よかったなあ)。大沢在昌氏(「ウォームハート コールドボディ」なんてちょっと泣けますよ。新宿鮫だけではないです)、北村薫氏(覆面作家シリーズがほんわかしていて好きですね)、高村薫氏(混同しないように、別の作家です。「マークスの山」最高!)、中島らも氏(「ガダラの豚」はマジにいいですよぉ)、原寮氏(「探偵沢崎シリーズ」はハードボイルドの頂点ではないかと…)、そうそう司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」は本を読んで初めて泣きました。「坂の上の雲」「播磨灘物語」「峠」…歴史小説の面白さを教えてくださいました。椎名誠氏の「わしらは怪しい探検隊」は腹を抱えて笑いました。「哀愁の町に霧が降るのだ」「新橋烏森口青春篇」「銀座のカラス」と続く氏の青春時代物語には、うらやましさとちょっと物悲しさを感じたものです。「岳物語」織田の名前が「岳郎」なものですから、親近感もあって好きです。

そんなわけで家には何冊あるか数えたことないのでわからないくらい本があります。マンガもいっぱいありますけどね。すごく偏ってますし、上には上がありますから自慢しているわけではなく、純粋に「好き」なわけです。ビジネスの本を読んだ後には必ず口直しに文庫本読んでますね。我が家のモットーは「本代はけちるな」です。子供たちがゲームが欲しいと言ってもめったに反応しませんが、本買いたいと言えば「じゃ、本屋行こうか」となるわけです。時々、なんでこんなストーリー思いつくのかなあって作家の方がうらやましくなります。細かいディティール、思わぬ複線、意外な結末…本って映画と同じくらいエンターテイメントですよね。面白い本読んだ後は、なんかすごく得した気分になりませんか?