ワークグループツールという考え方

10月30日に品川で開かれた「FileMakerカンファレンス2009」に参加してきました。
日本での開催は初めてとあって、沢山のデベロッパーの方々やFileMakerでシステム開発されている方で大変な盛況でした。

常々、「FileMakerというデータベースを使った開発手法は、他の開発ソリューション(オラクルやSQL-Server+.NET、AccessやもちろんPHP、JAVA・・・)とちょっと違っているようだ。それは具体的にどの部分なのだろう・・・」という疑問を持っていた織田は、今回のカンファレンスでのスピーチでこの疑問に対する一つの答えをいただいたように思います。

この答えというのが「昨今の様にテンポが速い時代では、業務上で必要な細々(こまごま)としたツール(注:これをワークグループツールと呼んでいました)、情報が共有できるツールをさっさと自前で作って、さっさと運用してしまったほうがよい。これに最適なソリューションがFileMakerだ。」と、いうものでした。

確かに、以下の理由を考えるとこの考え方は的を得ています。

  • 業務をよく知っているのだから運用に適したものがすぐに手に入るはず
  • 共有が容易なので、最新の更新データが一つにまとまる
  • 改造が容易で、項目の追加も大変楽(従来のシステムはこれが大変)
  • 印刷フォーマットなどもさっさと変更可能
  • 大規模な基幹システムと結合させることも後から可能
  • 後からWebに展開するときも改造なしで対応可能
  • 開発コストは自前からスタートなので、とってもリーズナブル

・・・つまり、中小企業で自ら開発し運用するために最適なツールなわけです。

例えば、以下の様な情報を管理する場合です。

  • 顧客の基本情報と売り上げ情報の管理
  • 販売情報/請求情報の管理
  • 社員の業務スケジュール管理
  • 生産スケジュール管理
  • 商品アイテムの管理

これらを基幹システムと接続したり、Web展開していくには開発会社の手を借りた方が効率的ですが、「最初は自分達で自分たちのために」が可能なツールが必要ではないですか?というわけです。

最初から我々のような開発会社に任せることも勿論可能ですが、我々が企業様の業務を詳細に把握するにはある程度の時間が必要です。大規模なERPなども実際の業務とのすり合わせに大変な労力を必要とします。そうしている間も時間は過ぎていくわけで、だったらまずは自前で作ったらどうでしょう?

昨今の企業では、パソコン/インターネットはもはや必須であり、WORDやEXCELといったワープロや表計算ソフトが使えることも必須になっています。そして、ワープロや表計算ソフトだけでは既に業務に支障が出始めている企業こそ、次に導入すべきものはFileMakerのような「ワークグループツール」なのでしょう。

大企業で導入されている大変高額な業務システムは中小企業には敷居が高すぎます。かと言って、ワープロや表計算ソフトだけで業務がスムーズに流れないことも事実でしょう。これらの事実は知っていただいたほうがよいだろうと強く思った次第です。